屋久島・種子島|大自然と科学を心に刻む 7日間(2026年7月)

世界自然遺産の島・屋久島と、日本の宇宙開発の最前線・種子島。2つの島をめぐる6泊7日のプログラムは、昨年に続き2年連続、2回目の開催となりました。今年は北海道から沖縄まで、全国各地から集まった30名の子どもたちに、屋久島・種子島から参加してくれた6名を加え、総勢36名。小学2年生から中学2年生まで、幅広い年齢の子どもたちが集まりました。

このプログラムを今年も一緒につくってくれたのが、屋久島を拠点に活動するNPO法人HUB&LABO Yakushima(ハブラボ)の皆さんです。ハブラボさんは、人と自然、人と人、人と地域のつながりを大切にしながら、屋久島で環境教育や地域づくりに取り組んでいる団体。屋久島で暮らしているからこそ知っている場所や、島の自然、生き物、森についての深い知識を、さまざまな体験を通して子どもたちに伝えてくれました。

全国各地から集まった、年齢もさまざまな仲間たちと過ごした6泊7日。屋久島の大自然と、種子島の科学・宇宙にどっぷりと浸かった7日間の様子をお届けします。

1日目は羽田空港から飛行機を乗り継いで屋久島へ上陸です。

まず最初の2日間は、屋久島の西部を舞台に活動します。宿泊先は屋久島青少年旅行村のバンガロー。ここでは食事も自分たちでつくり、みんなで協力しながら生活します。まだ出会ったばかりの仲間たちと、一緒に遊び、一緒につくり、一緒に暮らす。そんな時間を重ねながら少しずつ距離を縮め、これから始まる7日間をともに過ごすチームになっていくことも、この2日間の大切なテーマです。

到着後は、夕食の準備に使う薪を拾いに海へ。目の前に広がる海は驚くほど透き通っていて、薪拾いの手を止めて海をじっと見つめる参加者の姿もありました。初日の夕食はカレー。全国からやってくる仲間を迎えるために、屋久島・種子島から参加した子どもたちが一足先に準備を進めてくれていました。みんなが揃ってから仕上げをして、いよいよ最初の食卓へ。長い移動でお腹をすかせた子どもたちは、島で迎える最初のごはんを夢中でほおばっていました。

夜は星空観察。周りに明かりがほとんどない屋久島の空は、どこまでも広く、見上げた瞬間に満天の星が広がります。みんなで夜空を見上げ、たくさんの星を探しながら、屋久島で過ごす最初の夜を楽しみました。

2日目は、旅行村から歩いてすぐの塚崎海岸で、一日たっぷり海遊び。海に入る前には、ハブラボさんから、この海に暮らす生き物たちについて教えてもらいました。いざ海へ入ってみると、その透明度にびっくり。海の中を泳ぐ魚の群れがはっきりと見え、先ほど教えてもらった生き物を見つけては「あっ、いた!」と声を上げる子どもたち。知ってから海に入ることで、いつもの海遊びとは少し違った楽しみ方が広がりました。そして、岩場からの飛び込みも大人気。最初は少しドキドキしながら挑戦した子も、一度飛び込むとすぐに列の最後尾へ。何度も繰り返し飛び込んで、塚崎海岸の入江を思いきり楽しみました。

海でたっぷり遊んだあとは、夕食の食材を買いに、みんなで歩いてスーパーへ。自分たちで食材を選んで買い出しをし、バンガローに戻って夕食づくりに取りかかりました。この日のメニューは、豚汁と屋久島名物のトビウオ。役割を分担しながら豚汁をつくり、トビウオも自分たちの手で調理します。島ならではの食材に触れ、自分たちでつくった料理をみんなで囲むのも、この2日間ならではの時間となりました。

夕食後には、みんなでスイカ割り!海遊びから買い出し、夕食づくり、そしてスイカ割りまで、朝から晩まで盛りだくさんの2日目となりました。

そしてこの日の夜、ウミガメを探しに浜へ向かいました。
しばらく待ってもなかなか姿は見えず、「今日は難しいかな」と帰ろうとした、その時。産卵のために、1頭のウミガメが海から上がってきたのです。その距離はわずか2メートルほど。海から上がり、ゆっくりと砂浜を進んでいく大きなウミガメの姿を、子どもたちは声を抑えながらじっと見守ります。屋久島の自然の中で生きるウミガメを、これほど間近で目にすることができた夜。言葉にならない感動が広がった瞬間でした。

薄暗い砂浜を静かに移動するウミガメを見つめる神秘的な時間。息を呑むような時間です。真っ暗な砂浜を移動するウミガメ。参加者の記憶にはっきり焼きついています

3日目の朝は、前日の夜は疲れもありウミガメ観察には参加せず、宿で休んでいた子どもたちの中から希望者を募って、もう一度浜へ向かいました。すると、この朝もウミガメに出会うことができました!前夜はしっかり身体を休め、この日は元気に浜へ。念願のウミガメを間近で観察することができました。

2日間を過ごした旅行村をあとにして、ここからは屋久島の森へ。バスに乗って、世界自然遺産エリアを通る西部林道へ向かいます。林道に入ると、車窓のすぐそばにヤクシカやヤクザルが次々と姿を現しました。ハブラボさんからは、屋久島のシカやサルの暮らしや、この森の成り立ちについての説明があり、参加者たちは車窓の外の生き物を見ながら真剣に聞き入っていました。ただ見るだけでなく、その背景まで知ることで、目の前の自然がぐっと身近に感じられた時間でした。

西部林道を抜けたあとは、「日本の滝百選」にも選ばれている大川の滝へ。間近まで近づくと、目の前から大きな音とともに水が流れ落ち、その迫力に圧倒されます。屋久島の豊富な水と、島の自然のスケールを全身で感じる時間となりました。

大川の滝をあとにすると、ここからは島の南西部から北部へ一気に移動します。前日の海遊びや夜のウミガメ観察、そして朝からの活動で疲れもたまっていた子どもたち。長いバス移動はちょうどよい休息時間となり、車内ではぐっすり眠る姿がたくさん見られました。到着したのは、島の北側にある一湊海水浴場。岩場に囲まれた塚崎海岸とはまた雰囲気が異なり、広く開けた砂浜と泳ぎやすい海が広がります。まずは海を眺めながらみんなでお昼ごはん。その後は海へ入り、泳いだり、シュノーケリングをしたりしながら、午後の時間をたっぷり楽しみました。

そしてこの日から2泊するのは、島の東部にある水明荘。西側を中心に過ごした最初の2日間から拠点を移し、ここからは東部や北部へと活動の舞台を広げていきます。最初の2日間は、バンガローで自炊をしながら仲間と一緒に生活することも大切な体験の一つでしたが、ここでは少しひと休み。宿で用意していただいた屋久島ならではの食事を味わいながら、たっぷり遊んだ身体を休めました。

4日目は、いよいよ屋久島を代表する森の中へ。屋久杉ランドでのトレッキングに出発です。
森の中を歩いていくと、目の前に現れるのは長い年月を生きてきた屋久杉や、岩や倒木をびっしりと覆うコケの世界。大きな屋久杉を見上げたり、足を止めてコケをのぞき込んだりしながら、屋久島の森を自分たちの足で歩いていきました。もちろん、この日もハブラボさんと一緒です。森を歩きながら、屋久杉が長い年月をかけて育っていくことや、森に暮らす植物、屋久島ならではの自然について、その場で実物を見ながら教えてもらいました。屋久島が「世界自然遺産の島」であることを、また違った角度から感じる一日となりました。

午後は沢遊びへ。向かったのは、ハブラボさんだからこそ知っている、地元の人たちの秘密の場所です。
冷たく透き通った水に入り、岩を越えながら上流を目指す沢登りに挑戦する子どもたち。一方で、沢の中や岩陰をのぞき込み、カニやエビ、魚などの生き物探しを楽しむ子どもたちも。それぞれがやってみたいことを選び、自分のペースで沢の時間を楽しみました。沢登りの先では、川への飛び込みにも挑戦!思いきって水の中へ飛び込み、何度も繰り返し楽しむ姿もありました。

5日目は屋久島を離れ、フェリーで種子島へ。ここからプログラムの舞台は、屋久島の大自然から、宇宙開発の最前線・種子島へと移ります。港に到着したあとは歩いて、この日から2泊する南種子町自然の家へ。今回は広い施設を私たちだけで貸し切って、種子島での2日間を過ごします。

午後は、班ごとにペットボトルロケットづくりに挑戦!今回はただつくって飛ばすだけではありません。飛距離などの結果によって、夕食の自炊で使える食材が決まる班対抗戦です。どうすれば遠くまで飛ぶのか、班のみんなで知恵を出し合う姿は真剣そのもの。ロケットが飛ぶたびに大きな歓声が上がっていました。

夕食は、ペットボトルロケット対決で勝ち取った食材を使って、班ごとに自炊です。屋久島に到着したばかりのころにも、みんなで協力して自炊をしましたが、あれから数日。声をかけ合ったり、自然と役割を分担したりする姿から、ここまでの日々で深まった班のチームワークが伝わってきました。

自然の家では、自由時間になるとみんなでグラウンドへ。自然と始まったサッカーには学年を問わずたくさんの参加者が加わり、ボールを追いかけて走り回りました。
広いグラウンドでは、キャンプシップのワイドゲーム「Capture the flag」にも挑戦しました。2チームに分かれ、相手の陣地にある旗を、相手に捕まらないように自分の陣地まで持ち帰れば勝利です。旗を狙って攻めるか、自分たちの旗を守るか、チームでの作戦が勝負を分けます。
このゲームで印象的だったのは、普段はあまり前に出ることのない参加者が、チームをまとめていた姿でした。仲間に声をかけ、作戦を伝えながらチームを引っ張るその姿は、1日目には想像できなかったもの。7日間の共同生活の中で、一人ひとりが確かに成長していることを感じた瞬間でした。

6日目は、種子島宇宙センターへ。屋久島では海や森、生き物など島の大自然にたっぷりと触れてきましたが、この日は一転、日本の宇宙開発の最前線を見学します。前日にはペットボトルロケットで楽しんだ子どもたち。翌日に、本物のロケットが宇宙へと飛び立つ場所を訪れ、実際のロケットや宇宙開発について学びました。

午後は、ここまでの時間で育んできた友情をめいっぱい楽しむ時間。広いグラウンドでワイドゲームをしたり、水鉄砲でびしょ濡れになりながら走り回ったり、仲間と一緒に思いきり遊びました。全国各地から集まり、最初はほとんどが初対面だった子どもたち。それが6日間を一緒に過ごすうちに、学年や住んでいる場所を越えて、一緒に遊ぶことがすっかり当たり前に。追いかけて、笑って、水をかけ合って。7日間の終わりが近づく中、仲間との時間を最後までめいっぱい楽しみました。

最終日。まずは、屋久島・種子島から参加してくれた6名の仲間たちとのお別れです。7日前には初めて出会った仲間でしたが、海で遊び、森を歩き、一緒にごはんをつくり、毎日たくさん笑って過ごす中で、いつの間にか住んでいる場所も学年も関係のない仲間になっていました。

現地の仲間たちを見送ったあとは、種子島空港から飛行機を乗り継いで羽田空港へ。7日間の思い出をたくさん抱えて、それぞれのおうちへと帰っていきました。

目の前に現れたウミガメ、森で出会ったシカやサル、屋久杉とコケの森、沢での生き物探しや飛び込み、そして宇宙へとつながる種子島。ハブラボさんと一緒だったからこそ、ただ「見る」「遊ぶ」だけではなく、その場所にある自然や生き物について知り、実際に触れながら楽しむことができた7日間でした。

そして何より、北海道から沖縄まで全国各地から集まった子どもたちと、屋久島・種子島の子どもたちが一緒に過ごし、遊び、仲間になった7日間。この夏の出会いと体験が、みんなの中に長く残ってくれたら嬉しいです。


またキャンプシップで会おうね!

屋久島・種子島|大自然と科学を心に刻む 7日間(2026年7月)