はじめに
7月20日から八ヶ岳 清里で開催された2泊3日のキャンププログラムの様子をお届けします。
48名の子どもたちと10名のリーダー、総勢58名。このプログラムはスタンダードな夏のキャンプとして、初めてキャンプシップに参加する子どもたちの割合が約半数を占めるプログラムでした。
しかし、そんなことは誰もわからないくらい、子どもたちはハツラツとした楽しそうな表情をたくさん見せてくれました。
それぞれがキャンプシップで見つけられる居場所を楽しみに、安心して参加していいんだ、と感じてくれていたのではないかと思います。
長野と山梨の県境かつ標高1,200mに位置する清里高原は、全国有数の日照時間を誇る北杜市にあり、爽やかな気候の中で夏の遊びを満喫してきました!
超ロングアスレチックや水鉄砲、クワガタ取り、野外調理、キャンプファイヤーなど、キャンプシップアカデミーで出会う友だちとリーダーとの濃い3日間の思い出をお届けしていきます!
1日目
朝9時に新宿の都庁大型バス駐車場に集合し、受付で聞いた生活班のリーダーのもとに子どもたちが集まります。
リーダーとお話したり、班で軽く自己紹介やおしゃべりをしたり、緊張が少しでもほぐれるようにリーダーが向き合ってくれます。
プログラム責任者から保護者の方にご挨拶をし、バスで東京を出発します。

リーダーと一緒に、出発の時間
バスの中で一緒に歌ったり、おしゃべりやお菓子交換をしていたら一気に緊張もほぐれてきました!

お菓子を片手に、バスの中はすっかりにぎやかに
サービスエリアでのトイレ休憩も挟みながら、12時ごろに清里に到着しました!
それぞれ自分の荷物を持って、お世話になる施設に向かいます。

荷物を抱えて、宿舎へ
今回お世話になるのは、山梨県立八ヶ岳少年自然の家という、東京ドーム10個分の広大な森と原っぱがある宿泊施設です。
食堂でお昼ご飯を食べたら、まずはキャンプシップのルールを全員で確認しました。
〈キャンプシップでのルール〉
いかなる暴力も禁止 No Violence
働かざる者食うべからず No work, No food
チームワーク Teamwork
集合場所に向かうと、草の上でさっそく虫探しが始まりました。しゃがみ込んでバッタを目で追ったり、飛んできたチョウを追いかけたり。まだ活動が始まる前から、八ヶ岳の自然を満喫していました。
ここから本格的に活動開始です!
まずはスコアオリエンテーリング!
スコアオリエンテーリングは施設の周りの原っぱや森の中にある目印を地図とコンパスを使って見つけ出し、できるだけ高い点数を目指して巡るアクティビティです。
どのように回るか、作戦を立てるところから、班で協力して楽しみました!

地図を囲んで、まずは作戦会議

目印を発見!
広い敷地を歩き回るので、班のペースを揃えるのはなかなか大変です。そんな中で印象的だったのが、年上の子が自分から年下の子と手をつなぐ場面。待つのではなく、隣に並んで一緒に進む。まだ出会ったばかりの班の中で、自然とそうした関わりが生まれていました。
野外炊事は班ごとにカレーを作りました!火を起こすための小枝を集め、ちぎった段ボールにマッチで火をつけ、火の番をしたり、野菜を切ったり、お米を洗ったり、自分たちで完成させたカレーは絶品でした!

かまどに息を吹きかけて、火おこし

ピーラーで皮むきに挑戦

包丁で少しずつ

ルウを入れて、もうすぐ完成

自分たちで作ったカレーをいただきます

夕焼けの空の下で
お風呂を済ませたあとは、就寝までの時間を部屋で過ごします。今日のことで話に花を咲かせている部屋、かくれんぼをしている部屋。昼間思いきり体を動かしたあとの、ゆるやかな夜の時間でした。

部屋でカードゲーム。夜の間もおしゃべりは続きます
2日目
朝6時半起床。この日は朝から元気いっぱいで、自由参加のあさんぽに15人以上が集まりました。ひんやりとした朝の森を歩くと、鳥の声がよく響きます。

リーダーと手をつないで、朝の散歩
そのまま朝ごはんを食べたら、このキャンプの目玉のひとつ、超ロングアスレチックへ。
出発前に、施設の方からコースの説明と注意事項を聞きます。真剣な表情で耳を傾ける子どもたち。全長3km、森の中をぐるりと一周するコースを、班ごとに3時間かけて進みます。
丸太を渡る、ロープを伝う、網をよじ登る。高いところが苦手な子もいましたが、下から仲間が声をかけたり、先に進んだ子が待って手を貸したり。班で声を掛け合いながら、一つずつクリアしていきました。

丸太の上を、一列になって

丸太の吊り橋を、班で順番に
途中にはターザンロープも。リーダーと一緒に乗り込み、森の中を一気に滑り降ります。出発の合図は、毎回みんなで「3、2、1!」。すでに滑り終えた子も、順番を待つ子も、そろって声を出します。カウントのたびに、森の中に元気な声が響いていました。

3、2、1! で出発
コースの途中には沢を渡る場所もありました。ひんやりとした水に手を伸ばして、しばらく動かなくなる子も。3kmの道のりは、遊び場がいくつも埋まっているコースでもありました。

沢の水に手を伸ばして
コースの途中、森を抜けて視界が開ける場所がありました。目の前に広がる八ヶ岳に向かって「やっほー!」。声をそろえて叫ぶと、班のみんなで耳をすませて返事を待ちました。

八ヶ岳に向かって、やっほー!
昼食は流しそうめん。竹を流れてくるそうめんを、箸を構えて待ちかまえます。うまくすくえて歓声が上がったり、取り逃がして笑いが起きたり。さらに焼きたてのとうもろこし、ソーセージ、スイカも並びました。

流れてくるそうめんを、箸を構えて
流しそうめんに、とうもろこし、スイカ。夏の風物詩がずらりと揃ったお昼ごはんに、子どもたちのテンションは上がりっぱなしです。かぶりついたとうもろこしの甘さに目を丸くしたり、スイカの種を飛ばし合ったり。準備を手伝う子もいて、にぎやかな時間になりました。

焼きたてのとうもろこしにかぶりつきます

冷たいスイカでひと息
お昼のあとは、いったんゆっくり過ごす時間です。
希望者は革のキーホルダーづくりへ。まずは革を好きな形に切るところから始めます。これが思った以上の難関で、革が硬くてハサミがなかなか進みません。インストラクターの方に押さえ方を教わったり、リーダーに力を貸してもらったりしながら、少しずつ形になっていきました。
刻印を打ち込んで名前や模様を入れ、好きな色の染料で色をつけていきます。ハンマーを垂直に構えて、まっすぐ打つ。筆で色を重ねる。集中して手元を見つめる時間が続きました。同じ革から始めても、形も刻印も色も違う、一人ひとりのキーホルダーができあがりました。

刻印をまっすぐ打ち込んで

好きな色に染めていきます
その間、ほかの子は部屋で静かに遊んだり、体を休めたり。午前中に3km歩いたあとの体に、ちょうどいい時間になりました。
キーホルダーが仕上がったあとは、やりたい子全員で水鉄砲です。
開始と同時に一気ににぎやかに。広場を走り回り、狙いを定めて撃ち合い、かと思えば全員で一斉に空へ向かって打ち上げたり。降ってくる水しぶきの下で歓声が上がりました。リーダーも標的になって、全身びしょ濡れです。

リーダーも標的に

食堂でいただきます
夕食のあとは、いよいよキャンプファイヤーです。
始まる前から、空からはすこしだけ小雨が落ちていました。それでも気にする子は誰もいません。点火はトーチから。火のついたトーチは子どもたちも順番に持たせてもらい、その重みと熱を自分の手で感じました。

トーチに火が灯りました
炎が大きく立ち上がると、全員で静かに座ってその音を聞く時間へ。パチパチとはぜる薪の音だけが響き、さっきまでにぎやかだった子どもたちが、じっと炎を見つめていました。隣の子と手をつなぎ、同じ炎を見つめる。小雨の中で肩を寄せ合ったこの時間が、子どもたちの距離をぐっと縮めてくれたように感じます。

小雨の中、炎を囲んで
静けさのあとは一転、全員で歌を歌い、火を囲んで輪になって回ったり、少し踊ったり。最後には焼きマシュマロも楽しみました。
体育館に移動してからは、キャンプシップパーティーです。まずは線鬼。床のラインの上だけを走れるルールなので、逃げ道を読み合う駆け引きが生まれ、体育館じゅうに歓声が響きました。
続いてはじゃんけん3本勝負。相手は誰でもかまいません。子ども同士で自由にじゃんけんをして、3回勝った子からアイスがもらえるというルールです。班や学年に関係なく声をかけ合うことになるので、この3日間でまだ組む機会のなかった子同士が「じゃんけんしよう!」と向き合う姿があちこちで見られました。
トーチの火、みんなで囲んだ炎、歌と踊り、そして体育館いっぱいの歓声。盛りだくさんの夜となり、清里での最後の夜は笑い声のまま更けていきました。
部屋に戻ってからも、その余韻は続きます。ある部屋では、ベッドの上に班のみんなが集まっていました。ライトを手元に絵本を読んだり、光を壁に当てて影絵をつくったり。初日に顔を合わせたばかりの6人が、2日目の夜にはこうして体を寄せ合っていました。

ライトの明かりで、ベッドの上に集まって
3日目
最終日も朝のあさんぽから始まりました。
朝食を終えたら、帰る準備と掃除です。布団は初日に施設の方から教わったとおり、向きに気をつけながらきれいにたたみました。部屋のごみを拾い、掃き掃除まで済ませて、来たときよりも整えてからチェックアウトです。

来たときよりもきれいにして、出発です
お土産選びでは、家族に何をあげるかで真剣に悩む姿が見られました。友だちに「これどう?」と相談したり、手持ちのお小遣いで足りるか一緒に計算したり。選び抜いた品を、大事そうに抱えていました。

家族に何をあげるか、真剣に
お昼はお弁当。外のテーブルや草の上に思い思いに座って食べました。高原の風が気持ちよく、開放感のある昼食になりました。

木陰でいただきます
八ヶ岳ふれあいセンターでは、鹿のはく製や、いろいろな動物の足跡や食べ物を比べる展示に、みんな引き込まれていました。ぬりえやパズル、笹舟づくりのコーナーもあり、気づけば時間があっという間に過ぎていきます。

笹舟を浮かべてみます
ジャージー牛のソフトクリームも、暑さの中でいただきました。溶けるスピードとの勝負で、みんな必死にぺろぺろ。冷たさが体にしみわたる、夏らしい一場面でした。

溶ける前に、急いで
バスで最後の目的地、オオムラサキセンターへ向かいます。
林の中で網とかごを手に昆虫探し。木を見上げ、樹液の出ている場所をのぞき込みます。この日はクワガタもカブトムシも見つけることができ、「いた!」の声に仲間たちが駆け寄って、みんなで一緒に見上げました。捕まえた子どもたちは誇らしげな表情を見せていました。

網を手に、樹液の出ている木を探します

見つけた!
室内の展示も充実しています。蓋を開けると昆虫の豆知識が現れる仕掛けや、標本を近くでじっくり観察できるコーナーなど、思わず手を伸ばしたくなる工夫があちこちに。艶めく色のチョウがずらりと並ぶ展示は圧巻でした。生きた昆虫に、そっと手を伸ばして触れることもできました。

「これは何の木?」蓋を開けて確かめます

そっと手を伸ばして
東京へ向かうバスでは、最後のバスレクでにぎわう時間もありました。3日間の話をし続ける子、眠ってしまう子。リーダーからもらったお手紙を大事に手に持っている姿もありました。遊びきったあとの疲れと、まだ終わってほしくない気持ちが同じ車内に並んでいるようでした。

帰りのバスでも、話は尽きません
新宿駅に到着し、解散です。3日前、ここで少し緊張した表情を見せていた子どもたちは、日に焼けた顔で、3日分の話をお土産に戻ってきました。迎えに来た保護者の方に伝えたいことが、きっとたくさんあったはずです。
総括
今回のプログラムは、初めてキャンプシップに参加する子が約半数を占めるスタートでした。慣れない場所、初めて会う仲間、親元を離れての3日間。それでも印象に残ったのは、一人ひとりが自分なりの楽しみ方を見つけて、この場所に馴染んでいった姿です。
友だちと意見がぶつかったときには、自分たちで話し合って折り合いをつけていました。新しく出会った仲間とも、気がつけば当たり前のように一緒に過ごすようになっていました。2日目の夜、ベッドの上に集まって絵本を読んだり影絵で遊んだりしていた6人は、初日には全員が初対面だったとは思えないほどの距離感でした。
それぞれが役割を担い、うまく手を回し合った野外炊事。アスレチックで仲間を待ち、手を貸した場面。小雨の中で手をつないで炎を見つめた夜。その一つひとつが、子どもたちにとっての「自分の居場所の見つけ方」だったのかもしれません。

総勢58名、清里の森で
大切なお子さまを送り出してくださった保護者の皆さま、山梨県立八ヶ岳少年自然の家をはじめ現地でお世話になった皆さま、そして3日間子どもたちのそばで過ごしてくれたリーダーを含む運営メンバー、このプログラムに関わってくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。
また、キャンプシップで会おうね!