2026春・遊びの創造|春の里山で冒険キャンプ-4泊5日

2026年3月26日から始まった、栃木県足利市での4泊5日にわたる「里山プログラム」の様子をお届けします。このプログラムは、名草の協力パートナーの皆さまとキャンプシップアカデミーが、共に知恵を絞って作り上げた特別なプログラムです。
4泊5日という長い時間を仲間と過ごす中で、協調性を育むのはもちろん、子どもたちが自身の想像力を解き放ち、より自分らしく変化していく様子が感じられる時間となりました。

あいにくの雨模様で幕を開けた1日目。
渋谷でお家の方に見守られながら出発し、貸切バスで名草セミナーハウスに向かいました。車中では、出会ったばかりの友達と楽しそうに話す姿や、リーダーとこれからの冒険について語り合う姿が見られ、車内はワクワクした空気で溢れていました。到着した「名草セミナーハウス」は、廃校になった中学校をリノベーションした宿泊施設です。
子どもたちは、普段は走ることのできない長い廊下を思い切り走れることに大興奮!リーダーも一緒になって、元校舎を楽しみました。

お昼を食べた後は、体育館で『Get the king』を楽しみ、雨が上がったタイミングでグラウンドへ。
ここで、同時並行で進んでいた2泊3日チームと合流し、子どもたち71名 vs リーダー陣による「本気」の鬼ごっこがスタートしました。結果は、子どもたちの圧倒的な勝利!そのスピードとエネルギーには驚かされるばかりでした。

 夕食はBBQです。火を起こし、食材を切り、道具を整える。こうした準備も、もちろん子どもたちが主体です。
キャンプシップの大切なルールの一つ「働かざる者食うべからず」。美味しいご飯を食べるために全員で協力する姿勢が、初日からしっかりと根付いていました。

2日目の朝から向かったのは、国の天然記念物にも指定されている「名草巨石群」。花崗岩特有の「玉ねぎ風化」と呼ばれる現象が見られる、神秘的な場所です。山道では、足の速い子がどんどん先へ行くのではなく、時折立ち止まって仲間の到着を待つなど、2日目にして自然と協調性が生まれていることに感動しました。巨石群に辿り着くと、その圧倒的な存在感にみんな釘付けです。子どもたちは細心の注意を払いながら岩を登ったり、周囲を探検したりと、全身で自然の不思議に触れていました。

その後は「名草いわなパーク」にて、「いわな釣り」と「椎茸の駒打ち」を体験しました。
椎茸の駒打ちは、菌が詰まった「駒」を、原木にあけた穴に木槌で打ち込んでいく作業です。なんと子ども達だけで合計64本の原木に、2,304本もの菌を打ち込みました。「ここからたくさんの椎茸が実るんだよ」と教えてくれた話を聞きながら、一つひとつ丁寧に、力強く打ち込んでいく姿が印象的でした。

 いわな釣りでは、餌を針につけるところから挑戦。すぐに釣れる子も、何度も粘ってようやく釣り上げる子もいましたが、最後には全員が無事に釣り上げることができました。釣ったいわなは、専用の窯で50分かけてじっくり焼き上げます。骨まで食べられる焼き上がりを待つ間、スウェーデントーチを使って豚汁作りと飯盒炊飯を行いました。「火を見る人」「切る人」「混ぜる人」と、文字通り全員が適材適所で動く、最高のチームプレーで作り上げた昼食となりました。

3日目のメインは、竹のブランコ制作と山のステップ作りです。竹のブランコは、まず「どうすれば安全で壊れないか」を考えるため、割り箸を使って模型を作るところからスタート。
しお理に書いてあるヒントを頼りに、班の仲間と議論を重ねます。模型で構造を理解したあとは外へ出て、どの竹をどこのパーツに使うかを選定し、土台を組み上げました。

並行して行った「山のステップ作り」は、地元の「名草里山の会」が管理する松月山を、より登りやすく整える活動です。
一人一人が自分の担当エリアを決め、スコップで地面を平らにならしていきます。昨日の巨石群までの歩きで疲れているかと思いきや、子どもたちの体力は無限大。あっという間に立派なステップが完成し、そのまま松月山の頂上まで登りました。山から眺める春の名草の景色は、誰もが「またここに帰ってきたい」と思えるほど美しいものでした。

午後は、地元の「昭栄家具」さんと一緒にモーニングプレートを制作。
粗さの違うヤスリを使い分け、木のざらつきを丁寧に取り除いていきます。全身粉まみれになりながらも、最後はオイルと蜜蝋クリームを塗ってツルツルの手触りに。自分だけのプレートが完成し、毎日の朝ごはんがより楽しみになりました。

4日目の朝は、足利市の「アトリエmado」さんによるアートワークショップ。
3mの巨大なキャンバスに、全身を使って描きます。最初はクレヨンで線や形を描いていましたが、絵の具が登場すると一気にヒートアップ!筆だけでなく手や足も使い、画用紙だけでなくリーダーまでもがキャンバスに。終了の時間になっても「まだ描きたい!」と全員が声を上げ、時間を延長して、真っ白な部分がなくなるまで塗り重ねました。その集中力と想像力は、大人の想像を遥かに超えるものでした。

お昼は本格的なピザ作り。生地から手作りしたい希望者は、ペアで協力して粉をこね、30分以上寝かせて「もちもちふわふわ」の生地を作りました。好きな具材をトッピングし、里山の会が管理する本格的なピザ窯で焼き上げた味は格別です。

午後は、竹のブランコ制作の仕上げです。昨日組んだ柱が大人でも耐えられるか実験し、いよいよロープと座面を装着。完成した瞬間、何もない校庭にポツンと現れた手作りブランコには、またたく間に大行列ができました。設計から自分たちの手で形にした子どもたちの姿は、完成したブランコ以上に輝いて見えました。

最後の夜は、班ごとの自由調理。地元の野菜や肉を使い、食材は班同士のじゃんけん争奪戦で決めました。ラーメン、パスタ、炊き込みご飯…。限られた食材を組み合わせ、知恵を絞って作った夕食は、どれも本当に美味しかったです。

最終日は、本格的な臼と杵を使った餅つき。元気な掛け声とともに搗きあげた、よもぎ餅と白い餅を「とり汁」と一緒にいただきました。出来立てのお餅は、普段食べているものとは違う特別な味がしたようです。

出発の時間まで、子どもたちは完成した竹のブランコで遊んだり、オリジナルのゲームを楽しんだりと、名草での時間を最後まで惜しむように過ごしていました。

本当にたくさんのことがあったこの5日間。寂しさを感じたり、辛かったりした瞬間もありましたが、仲間やリーダーと乗り越えたその先には、初日よりも少し逞しくなったみんなの笑顔がありました。

最後になりますが、本プログラムの実施にあたり、名草での活動をコーディネートしてくださった後藤さん、名草いわなパークの吉新さん、椎茸の駒打ち体験で講師をしてくださったつぶこさん、足利市を拠点として活動されているアトリエmadoさんの三木さん、つぶこさん、NPO法人名草里山の会の皆様をはじめ、名草の方々に多大なるご協力をいただきました。子どもたちにとって忘れられない5日間を一緒に作ってくださったこと、心より感謝申し上げます。

この5日間の記憶が、みんなの心にずっと残り続けることを願っています。そして、また戻ってきてくれたらと心から思います。

また、キャンプシップで会おうね。

2026春・遊びの創造|春の里山で冒険キャンプ-4泊5日